このスタジオは人間のデジタル ダブルの 3D スキャンやカスタマイズを専門としています。これらのデジタル ダブルは映画やテレビ向けの VFX でデジタル代役として使用されたり、ビデオ ゲームに登場するリアルで多様なキャラクターや VR アプリケーション向けの本物のような登場人物の生成に使用されたりしています。また、人物のスキャンの他に、製品やさまざまな物体の 3D スキャンにも力を入れています。
ポートフォリオには、1000 人以上の人びとをスキャンして作成した Rockstar Games のグランド・セフト・オート IV やグランド・セフト・オート V のデジタル ダブル、Ubisoft によるトム・クランシー監修のゴーストリコン シリーズでは凶悪犯、兵士、カルテルのメンバーや市民のスキャン、スクエア・エニックスのヒットマンやヒットマン アブソリューションのキャラクター作成などが並びます。
進化を続ける市場に対応し、その需要に応えるために、Another World は人間の顔の 3D スキャンに力を入れ始めています。
プロダクション パイプライン
クライアントから人物の指定がない場合、スタジオはタレントのウェブサイトやキャスティング会社から適切な候補者を探します。クライアントが候補者を承認すると、候補者たちはスタジオに呼ばれ、メイクアップ アーティストがメイクを落とし、毛髪が顔にかからないよう準備を整えます。
スキャンは 48 台のカメラが取り付けられたマルチカメラ リグを使用して行われます。そのうちの 3 台には、顔まわりの詳細をできるかぎり取得するためにフルフレームの Nikon D810 が使用されています。すべてのハードウェアはシンプルな配線で電力が供給され、すべてのカメラを同時に起動させるためにカスタマイズされています。撮影された写真は自動的に RAW 形式でコンピュータに送信され、3DLutCreator を使用して色や露出が正確かつ均一になるよう処理されます。
次に画像を RealityScan にインポートし、3D モデルを生成します。その後、スキャン データを Blender でクリーン アップし、ノイズや余計な毛髪などを除去します。目と耳は少し強調して、レトポロジしやすくします。Blender はロー ポリゴンのベース メッシュをモーフィングし、細分化してシュリンクラップ処理を行い、高解像度のスキャン データを作成するためにも使用されます。
次にメッシュをエクスポートして RealityScan に再インポートし、高解像度のテクスチャ マップをベイクします。複数の画像データを選んで組み合わせ、さまざまなベイクをいくつも作成します。それらを Photoshop で組み合わせてマスクし、クリーン アップします。さらに追加でクリーン アップ処理する場合は、Blender のテクスチャ投影を使用して行います。
納品前の最終仕上げは、ZBrush のテクスチャ マップを使用してマスクする機能で行います。この処理により、細かいシワや毛穴など、非常に繊細な部分まで再現することができます。
比較的大きなプロジェクトでは、作業が軌道に乗ると、各アセットの仕上げにかかる時間は 1 日ほどです。